法人営業と個人営業、営業力が高まるのはどちらですか【結論:どちらでもいい。営業力が高まるのは「新規開拓営業」】
こんにちは、藤田です。
よく、下記のような質問をいただきます。
営業の仕事に興味があるけれど、
法人営業にするか個人営業にするか悩みます、
どちらがいいですか。
結論→どちらでもいい。
営業力が高まるのは「新規開拓営業」です。
(ルート営業<新規開拓営業)
とはいえ、私も同じことを考えたことがありますし、両方経験しました。
そんな私が思う、「違い」と「同じこと」、「どう決めたらいいか」について書いていこうと思います。
本記事の内容
・個人営業から法人営業に転職して感じた違い(法人営業の特徴)
・個人営業ならではと思うこと(個人営業の特徴)
・同じと思うこと
・どちらを選ぶべきか
上記について書いていきます。
個人営業から法人営業に転職して感じた違い(法人営業の特徴)
新入社員で入った会社は個人営業(居住用不動産売買)でした。
入社2年目で全社MVPを受賞し、調子に乗っていた私は
今度は法人営業をしてみよう!と(基幹システムPKGの販売)会社に転職しました。
個人営業3年→法人営業10年→フリーランスの営業として両方扱って2年、
という営業が大好きな私が、自身の経験からお伝えしていきます。
<個人営業との違いを感じた点>
個人営業時にはなかった、法人営業ならではと感じたことは以下になります。
✔️個人営業は決裁者と直接やりとりをすれば完結するが、
法人営業は決裁までのステップが複数(決裁フロー)ある。
決裁フローや決裁関係者は会社によって違う。
例)
・担当部門で検討し、役員会にあげる
・プロジェクトチームのメンバーで決めたものを上申する
・検討担当者が比較表を作成し、社長が決める etc…
これら全てについて経験したことがありますし、他にもたくさんのパターンがあります。
よって、決裁フロー(誰が関わるのか、どうやって決めるのか)を
提案していく中で聞いたり探ったりする必要がありました。
話をしている先方担当者でさえ「どう決まっていくのかわからない」ことも多く、
進めていく中で明らかになっていくケースも多いです。
要は、しかるべき人に提案しにいかないと、物事が進んでいかないのです。
そしてそれは「役職」でわかるものではない、というのが難しいところです。
(社長とか、担当部門の部長に行けばいいというものではない、ということ)
決裁フローの理解と、誰にアプローチしていくか、という観点が必要です。
✔️法人営業は契約までに時間がかかる(ステップが多い)
前述した通り、そもそも決裁フローなるものがあるので時間がかかるということと、
基本的に「予算」がないと購入できないため、購入時期を来期まで待たなければならないこともよくあります。
どんな製品、サービスを売っているのかにもよりますが、
私が売っていた基幹システムは何千万とか何億なので、基本的には予算取りして購入が前提となります。
例えば3月期末の会社だとして、来期4月からの予算を取得するための流れは下記です。
2月に予算決定する為に、秋、早ければ夏には部門から来期の予算申請としてあげなければなりません。
例えば今日2021年5月12日に提案して、「買いたいです」となったとしても、
来期予算として申請して、購入できるのは2022年4月1日だったりするのです。
(もちろん半期ごとに予算を見直せたり、臨時予算を取ることも可能なことはあります。)
個人のマンション営業の時は、
初回来訪した日にお申し込みを頂き、1週間以内に契約、という流れで動いていたので、
転職した当初はもどかしくて、なかなか受注できないなんて面白くないなあ、と思っていた時期があります笑。
また、予算をとってもらったとしても、何かがあったら壊れてしまうこともあるのでフォローも必要でした。
(例えば今回のようなコロナがあったりすると、予算凍結、なんてこともあります。)
✔️関係する人物が多く、それぞれのwinを作りだす必要がある
決裁に関係する人が多い場合、それぞれの人の気になっていることや
実現したいことに合わせた提案をする必要があります。
例)人事システムの導入
・人事部長
→どう効率化できるか、
人事部は人材不足だが、これ以上人事部に人を回すことができない中で、システム導入でどう解決できるか
・人事現場担当
→今の作業からどのように変わるのか、使いやすいシステムなのか
・社長
→社員の情報がいつでも見れるようにしたい
・システム部長
→システム部でどんなメンテナンスが必要か、他のシステムとの連携はできるか
というように、関係者それぞれ、気になることが違います。
会話している相手に合わせ、提案内容の伝え方を考える必要があります。
また、アポイント設定時に、単独でアポをとるのか、一同に集まってもらうのか、ということも考えていました。
同じ製品を同じ会社に提案するのに、さまざまな切り口から話をしていく、ということは必要でした。
✔️提案資料やプレゼンが必要な場合は多い
目の前の人が「買いたい」となってすぐに買えるものではないので、
・目の前の「担当者が」社内を説得するのか
・目の前の担当者の代わりに「営業マンが」社内を説得して回るのか
どちらかになります。
基本的には「会議体」があったり「上申資料」が必要だったりしますが、
お客様がそれを一からは作れないので、提案書を作成して提出したり、お客様の上申資料作成のお手伝いをしたり、
プレゼンテーションをする必要が出てくることが多いです。
私は資料作成が苦手だったので、いかに分厚い提案資料を出さずに受注するかに拘りましたが、
それでも何かしら提出することは必要でした。
個人営業ならではと思うこと(個人営業の特徴)
✔️お客さんの人生に関われる可能性が高い
商材にもよると思いますが、私は不動産営業だったので、
お客様の家族構成から、勤務先、年収、どんな人生を送りたいかetc
についても話を聞かせてもらい、提案をしていました。
法人営業の時にそこまでの会話にはあまりなりませんよね。
✔️お客さんと繋がり続けることが可能
人としての信頼関係構築後に販売した場合、
将来転職or起業した際に他のサービスを提案することも可能です。
(もちろん以前の会社に禁止されていない領域であればですが)
法人だと、いくら名刺を交換しても、転職をしたら基本的には連絡を取れないです。
(個人的に仲良くなったお客様は別ですが)
✔️マーケット(ターゲット)は自分で決められる
こちらも商材によりますが、法人営業はターゲット企業が限られていることが多いです。
私が売っていたシステムは大企業向け、だったので企業数は限られていました。
また、支社によって担当エリアがありました。
個人営業は誰をお客様にしたいか、から考えることができるものが多いです。
私の周りには生命保険営業の方は多いですが、
「経営者」がお客様に多い、「キャリア女性」が多い、「SE」が多い等、様々だなあと感じます。
同じと思うこと
✔️すぐに売れなくて当然(すぐに売ろうとしない)
個人営業であろうと、法人営業であろうと、
新規アプローチをして、「ちょうど検討していました」みたいなことはあまりなく、
お客様と関係性を作っていく必要があることは一緒です。
✔️「買いたい」と思わせることが大切
「個人営業がお客様に「買いたい」と思わせたら買ってくれることがあるが、
法人営業マンは「論理的な話をしないと」買ってもらえないから難しい」
を言う人がいますが、そんなことはないと思っています。
法人営業でも、目の前の人が「買いたい」と思うことが重要です。
上申資料に「買いたいからです」と書くことはできないので、
論理的には書きますが、まずは「買いたい」と思ってもらうのが最初だと考えています。
「買いたい」と思っているので「買うためにどうするか」を一緒に考えてくれます
(「決裁ルート」を教えてくれたり、買うための比較資料作成をしてくれます)
どちらを選ぶべきか
そして、どちらを選ぶべきか。
ここまで読んでやってみたいと思う方があれば、それでいいし、
悩むのであれば、どちらかを選んでまず働いてみてください。
どちらも勉強になりますし、営業マンとしての成長に繋がります。
1つ注意点としては、その会社や製品(サービス)について
伝えていくことが世の中の役に立っている、と思える会社を選ぶことは絶対です。
こんなものを売ってお客様が幸せになるだろうか、なんてものを売ることはできませんからね。